今回は「言葉による伝え合い」についてお話させていただきます。

 

幼稚園教育要領によれば、「保育教諭等や友達と心を通わせる中で、絵本や物語などに親しみながら、豊かな言葉や表現を身に付け、経験したことや考えたことなどを言葉で伝えたり、相手の話を注意して聞いたりし、言葉による伝え合いを楽しむようになる」と記載されています。

 

ここでのポイントは、先ず「受け止めてくれる人がいる」という事です。自分の欲求や意思を伝える事から、相手の思いも知りたくなる。そして「会話」という言葉によるコミュニケーションが始まります。赤ちゃんには「理解できる・できない」にかかわらず、「話しかける事」が大切と言われていますが、言語面の発達という点から考えると、とても重要な意味をもっています。絵本という活動も大切です。絵で内容はだいたい理解できる。それを読んでもらう事で、文字と発音の関連性が理解できる。言語面の発達という意味からしても、とても大切な活動だと思っています。
 不詳、私も養成校で保育者を目指す学生さんに、「表現」という項目を担当させていただいておりますが、絵本は保育に必須。そして、その方の人間性や感性が最も端的に表れる部分と考えています。その「本を読んでもらった」という体験から、言葉を覚え、「表現」を学ぶ。そして覚えたものは使いたくなる。これが自然な流れとなります。

具体的には子ども達は遊びの中で、自分の思ったり・考えたりしたことを相手に伝えようと努力します。そのための伝達手段として「言葉」「文字」は重要だと考えています。

昔の小話で「フランス人ってすごいよね。だって、あんなに小さいのにフランス語をしゃべっている」というものがありましたが、言葉も文字も「環境」のなせる業。旭幼稚園では教育要領の言いたい事は、無理なく、遊びの中・生活の中で習得できるようにして下さい、という意味だと理解して実践しています。