卒園式を明日に控え、卒園証書・卒園証書に入れる写真・写真の台紙、卒園式のしおり等々、手作りものが多く、ブログもご無沙汰してしまいました。本当は今回、幼稚園教育要領に記載されている「10の姿」とは、というテーマでブログを書く予定でしたが、とんでもないニュースが飛び込んできました。
  私どもが加盟している幼稚園の全国団体、全日本私立幼稚園連合会で3億を超える使途不明金、全日本私立幼稚園PTA連合会でも8千万円の使途不明金が発覚しました。両方合わせれば4億円オーバーという巨額なお金です。
  当時の会長さんが全てをご存知のようですが、会計監査を逃れるために、通帳の改ざんまで行っていたとか、問題が表面化した途端、辞任されたとか、とにかく「きな臭い」お話です。同じ連合会に加盟している者として、皆様の信頼を裏切る事になってしまい、申し訳なく思っております。  
 ネットの上では「元会長は山口県の方だから、同じ山口県の政治家の政治献金に使ったんだろう」等々、憶測でいろいろ述べておられますが、全容が明らかになっていない時点であれこれ憶測するのはルール違反と思っておりますので、今回私自身はコメントは避けます。

  全日本私立幼稚園連合会の歴史ですが、日本の幼稚園団体、最初に日本私立幼稚園連合会という親睦団体ができました。その後、幼稚園に運営費補助金が出るという段階になって内部で意見が対立し始めました。なぜなら幼稚園もその他の学校と同じ扱いですから、学校法人に対して補助金を出す事になったからです。実は幼稚園、学校教育法109条により、「当分の間」学校法人でなくても設置・運営ができることになっています。ですからお寺や教会などの付属施設(宗教法人の幼稚園)、または本人格を持たない、個人で経営される幼稚園もOKだったのです。特に首都圏、地価が高い。学校法人になるには、基本財産として土地を法人に寄付する事が必須です。そこまでの財産は寄付できない、と個人のままで運営されている幼稚園が非常に多かった。でも、運営費補助金は欲しい。そこで

1,保護者に補助金を出して、各幼稚園が好きなだけ保育料を取ればいいじゃないか、と考える園
2,いやいや、他の学校大学と同じ、学校法人で運営するのが筋なのだから、補助金は全て幼稚園に対して出して欲しい、と考える園
3,保護者にも幼稚園にも両方出して欲しいと考える園
この3つに分かれてしまったのです。

 その結果、幼稚園の全国団体は3つに分裂してしまった。各々が陳情をするものだから、国としてもどこの団体の言い分を聞いたら良いのかわからない。そんな事が合って、幼稚園の補助金が大幅に少なくなってしまいました。これではいかん、という事で各団体が意見をすり合わせ、統一団体として発足したのが「全日本私立幼稚園連合会」です。

  こんな歴史があるのですが、どうしても全国団体というもの、私どものような地方の弱小幼稚園は弱い立場です。どうしても首都圏・県庁所在地の大規模園が中心になってしまいます。活動の内容も幼稚園予算の増大、幼稚園に関する政策の実現と言ったものに集約されます。
例えば、幼児教育の無償化。このような政策実現のために活動していますから、政治的な側面は多々あると思います。

 他の業種団体でも、親睦を兼ねた連合会とは別に、業界の有志による任意団体として「〇〇業連合会政治連盟」のような組織を作り、活動しているのは皆さんもご存知のとおりです。
全国団体の事はとんとご無沙汰していますが、今回の不祥事、どんなものなんでしょうね。全容がわかるまで、コメントしずらいのですが、早く全容がわかるといいな、と思っています。

  明日は卒園式です。こんなきな臭い話は今回で終わりにして、卒園児の皆さんの晴れ姿、見送りたいと思っています。