ニュースによりますと、教員免許更新制度が廃止される方向で動いているようです。当然です。いわゆる資格試験で、免許の更新があるものは(技術の伴う運転免許は別として)ありません。
医師免許・設計士・会計士・税理士・弁護士・看護師・保育士。全て一度取ったら生涯有効です。なんで教員免許だけが更新制度になっているのでしょう。

 私の聞く限り、第一次安倍内閣の時、学習指導要領に反して国旗掲揚・国歌斉唱をしない教員が問題になり、法律で規定しているものを守らないような教員を排除したいという思惑からできた制度と聞いた事があります。その後、安倍内閣が選挙で負けて、民主党政権へと移行しました。当然、日教組などが支持団体ですから、これで更新制度は廃止になると思っていました。ところが、残ってしまったんですねえ。もし、更新制度を廃止したら、民主党政権最大の実績になったと思うのに残念です。

 聞くところによれば、更新制度に備えて、すでに教員を確保し、講習会の準備をしている大学があったのでそのままにしたらしいのですが、愚策に愚策を重ねる「恥の上塗り」状態。何を考えているんだ、と言いたいです。

 私が更新制度に反対していた理由は、他に更新制度を設けた資格はないこと。講習内容がおそまつで、「このグループの中から好きな科目を選択してください」となってはいるが、内容を選ぶより早く講習を終えたいのが人情。そこで結果的に幼稚園の先生が小学校の科目を受講したり、小学校の先生が幼稚園教諭向け講習会に行かざるを得なくなった。つまりミスマッチが多すぎる事。
 次に問題だと思うのは校長教頭、園長は更新講習に行かなくてもいい事になっています。「管理職だから、直接子どもに教えるのではないから」というのが理由ですが、先生方を管理する立場の人間が、最新の理論や実践例をしらずして、何で管理職でいられるのか。やるなら校長教頭・園長が率先して受ける制度でないと意味がない。例外を設ける事がおかしい。これが理由です。

 現場からは、例えば産休に入った教員の方がいて、代替の教員を探した。適任者がいたにもかかわらず「教員免許が失効しているから教壇に立てない」と言われてしまう。免許は持っているが他の仕事についていた。機会があれば教育の場に行きたいと言う方を採用できない。このような切実な要望があっての事らしいですが、本当につまらない制度を考えたものだと思います。

 最近またわいせつ行為等で処分される教員がいると報道されています。このような方も2年か3年で再度教員になれるようですが、こちらこそ教員免許を失効させて、二度と教壇に立たせないようにするべきです。

 厳しくすべき所と寛容で良い所をはきちがえているとしか思えません。でも、これで先生方の変な負担が少なくなる事は確実です。本当に良かったと思っています。