私ども学校法人双葉學園では、企業主導型保育施設「あさひこども園」を設置・運営しています。過日、この企業主導型保育施設の運営管理を行っている児童育成協会の電話による監査をうけたのですが…。

 この企業主導型保育施設は、認可外施設に分類されています。認可外施設ですので、設置までの面倒な手続きが簡素化されていて、市役所に届ければ開設できます。その代わり、認可外ですので、面積や定員、保育士数なども曖昧。狭い部屋に、1人の保育士が大勢の子どもを見てい例などがあります。しかも補助金もないので、高額の保育料取らざるを得ない。その意味では「便利だけど子どもの事を考えると、考えてしまう」施設もあるような気がします。

 ですが、企業主導型保育施設では、児童育成協会が間に入り、認可保育所と同等の基準を確保し、部屋の面積・定員・保育士数など、きちんとしていれば、認可保育所に準じた補助金を出してくれるので、比較的安価な保育料で済む。しかも市の認定を必要とせず、就労証明があり、園長が認めれば保育が受けられる。つまり、認可保育所の安全な基準・安価な保護者負担と、認可外保育所の簡単・簡素な手続きで保育が受けられる、認可施設と認可外施設の「良いとこ取り」のような制度設計がなされています。

  私ども双葉學園としても、「そんな事情があるなら大変でしょうから、うちで預かりますよ」と言える園をひとつ持っておけば、地域の方々のお役に立てる事も多いだろう、という事で設立に至った経緯がありますが、補助金をもらうという事は、当然ながら監査を受ける事になります。今年はコロナ過という事で、電話による監査になりましたが

先ず監査の前に92項目の質問、規約、出席簿、契約書などなどを送らないといけません。そのチェックだけで膨大な時間がかかります。

 それを送って、監査当日なのですが、私どもが思っていた事と児童育成協会が求めているものが違う。例えば「出席簿」とあれば出欠を記載した一覧表と思ってしまいますが、「出席した時間・退出した時間が書いてない。これでは出席簿とは言えない」と言うのです。せっかく備考欄があるのですから、そこに一言記載してあれば勘違いしなくて済むのに、と思ってしまいます。私に言わせれば根本的な説明不足です。

 後は、何でも契約書。双方納得した、という事がわかるように署名押印のあるものが求められます。保護者にも園医の先生にも契約書。給食も供給契約書。たしかにそうする事ではっきりする面もあると思うのですが、いくら何でも「やりすぎ」じゃないか、と思ってしまいます。それを言うなら、児童育成協会は私ども双葉學園に対して「こう言う条件で委託します」という委託契約書は出していません。そこまで徹底した事を求めながら、自分たちは抜けている。「自分がやればロマンス、他人がやれば不倫」って事なのでしょかね?ちょっとダブルスタンダードのような気がします。

 後、納得しかねるのは「思い込み」で指摘する点です。お散歩する時の規約がない、という指摘があったのですが、私どもは1900坪の敷地がありますので、お散歩にしても園庭で事足ります。わざわざ交通事故や変質者、誘拐などの危険を犯して園外の公園に行く必要がないから行っていない。だから規約もない、と説明したら「子ども達だって気分転換に外に行きたいんじゃないですか?」にはあきれて一瞬絶句。言葉が出ませんでした。
思い込みで勝手な解釈しないでいただきたい。私どもも子どもの事を第一に、安全で快適な空間を保証できるよう頑張っているんです。それをこんな形で指摘されたら、たまったものではありません。この思い込みによる指摘、書ききれないほどありました。担当者の一存で指摘って許されるんでしょうか?(本当なら担当者の名前まで書きたい位です)

 さらにお昼寝に関してどうしていますか?と聞かれたので「下に敷く」まで説明したら、「布団をご家庭から持ってくる事は許されません!布団は園で用意する事になっています!」と人の話をさえぎって指導してきました。私は「下に敷くタオルケットと上にかける毛布などはご家庭から持ってきていただいています」と説明するつもりだったのですが、人の話を最後まで聞かない、会話のマナーも守れないような方はひさしぶりでした。それを説明したら「それならいいです」って何なのよ?ちゃんと最後まで人の話は聞いて欲しいですね。

 年間行事予定に内科検診の日程が書いていない。これもいつも派遣をお願いしている病院の先生が移動になり、新しい先生を派遣して下さる事は決まっていたけれど、その先生を紹介して下さるまで時間がかかっていた。4月初めに年間行事予定を出す必要があるので、書かずに出したのですが育成協会としては「いつも行っている時期は決まっているはずだから、とりあえず仮の日程を記載して出すべきだ」というのです。そんないい加減な事、できますか?あきれて物が言えません。

 それぞれの園にそれぞれの事情がある。だれも規定を破って勝手な事をやろうとは思っていません。理由があるからそうなっているだけで、今回の検診だって実際先生が決まって、きちんと行っています。検診の結果も出しています。それを年間行事予定に書いてないから、って指導の意味がわかりません。指導項目を増やし「私はこんなに多くの点を指摘した、優秀な人間です。どうですか?よくやっているでしょう?」ってアピールしたいだけのような気がしてきました。

  今回の監査を受けてわかりました。児童育成協会という所は「性悪説」で私たちを見ている。人間はズルをする生物だから、私たちが良く見て、指導して、間違いを指摘しないと悪さをする。こう思っているのでしょう。ちょっと今後お付き合いするのが疲れそうです。何か根本的な対策が必要なような気がしてきました。
本来ならこのような「監査の中身」を暴露する事はいけない事かも知れませんが、今回だけは我慢ができず書いてしまいました。正直、私も全然納得していません。はらわたが煮えくり返るとはこの事なんでしょうね。

 もしかして後でこのページが削除されていたら、児童育成協会から削除要請の圧力があったと思って下さい。