もう12月。早いものですね。本当に1年があっという間に過ぎ去るような気がします。特にコロナと言う事があるのかも知れません。

 最近、研修会や研修動画などを見て思う事があります。手書きの文章の説得力です。アナログの持つ説得力が再確認されているようです。

 以前、スタジオジブリの鈴木さんの展覧会に行ってきたのですが、鈴木さんご自身が出版社にあてた手紙が拡大して展示してありました。ちょっと癖のある文字なのですが、書いた人の人間性まで行間から滲むような気がしました。もし、ワープロ打ちの文章なら、ここまで説得力はなかったと思います。
ネットの無料イラスト集から持ってきたイラストより、下手でもご自身が描いたイラストの方が、見ていて楽しいし、「ここを見て下さい」という部分もしっかり伝わります。その意味ではアナログもまだまだ捨てたもんじゃない、って再確認しました。

 ワープロが普及していなかった時代は、活字となって整然と並んだ文章って説得力がある、と言われていました。読みやすい。そこが重宝されていましたが、ほとんどの文章がワープロで作られるようになると、手書きの文字が持つ魅力が再確認されるようになってきました。
 旭幼稚園ではワープロ導入は早かったです。なにしろ園長が癖字。自分で書いた文字が書いた本人でも識別不能な時がある位です。園児さんへのお手紙など、当時はペーパーしか伝達手段がない時代でしたので、ワープロは必需品でした。5インチフロッピーの時代、と言えばおわかりでしょうか?その後、3,5インチのプラスチックケースのフロッピーになり、ワープロ専用機からパソコンのワープロソフトを使うようになりました。ウインドウズ98の時代です。だんだん活字もきれいに、読みやすくなりましたが、どうしても「どれでも同じ」文章に見えてしまう。だからこその手書きなんでしょうね。
 文章はワープロでも、最後の「書いた方の名前」だけは手書きのサインになっているもの(主にダイレクトメールですが)もあります。たった1行のサインだけでも、全体の印象が変わるのですから、アナログってすごいなあ、と思う事があります。何かの雑誌で読んだのですが、このサインをするために、高価な万年筆が売れているそうです。しかもインクがブルー。手書きです、と言う事を色でもアピールできるように、という事なのでしょう。

旭幼稚園でも手書きのサインボードなど出していますが、これも園長の役目と思っています。下手な絵と文字ですが、アナログな人間がアナログ満載で、ちょっと笑っていただければ、と思っています。