最低賃金があがります。巷では「900円ショック」などと言われていますが…。

 賃金があがるのは良い事です。不況と言われ、デフレスパイラルに陥っている現在、賃金があがらない事には消費も拡大しない訳です。理想を言えば、毎年賃金があがる→消費も拡大する→会社も利益があがる→利益が出た分を、従業員の給料にあてる→もっと給料があがる。
又は(最初は同じですが)会社も利益があがる→もっと良い機械を買って、より売れる製品が作れるようになる→買ってくれる人が増えて、利益があがる→利益が出た分を、従業員の給料にあてる。
こんな良いスパイラルで回るのが理想だと思っています。「ちょっとのインフレ」が一番会社も従業員も、どっちも良い関係でいられるのです。

 ところが現実は、今の日本はデフレスパイラル。企業としても業績があがらないのに、賃金だけが上がると、その分を価格に転換できない。価格据え置きで、賃金があがれば会社も赤字になってしまう。あげたくても上げられない、という問題がある一方で、「賃金をあげなければ、人が集まらない」というジレンマもあります。その意味では、昭和の時代には普通だった「終身雇用制度」も良い面はいっぱいあった訳です。だって定年まで勤められる、という安心感。これは人生設計においても、大きな意味を持っていたはずです。ところが、欧米の労働対価としての賃金、という考え方が日本でも普通になってきたのか、転職がアタリマエ。そんな転職サイトのCMが流れる位ですから、考え方自体も変わってきているようです。実力主義と言えば聞こえはいいのですが、社会全体から見たら「良い事」なのか。一部の成績の取れる方のみが潤い、社会全体として見たら低賃金のスパイラルに落ち込むようでも困った現象になるように思います。

 更に、ここにもってきて、円安という問題も出てきました。輸出産業はいいのでしょうが、輸入コストがあがりっぱなし。その分を価格に転換できなくて苦しんでいる企業も多いようです。
 ラーメンだって1000円の壁、という問題もあるそうです。1000円以上のラーメンは買わない人が多い、という事です。個人的には美味しいのなら、多少高くてもいいか?とは思うのですが…。コンビニのおにぎり。ちょっと前は、シャケとか明太子のおにぎり、120円位じゃなかったですか?この前、おにぎりを買った時、明太子のおにぎりが170円になっていてビックリしました。チョコパイに至っては、価格は同じでも2回り位小さくなったような気がします。実質的な値上げです。その意味で物価は上がっています。これもちょっと困るなあ、というのが個人的な感想です。

 国が主導権をもって、最低賃金の引き上げを断行する、と言った以上、私たちも頑張り時だと思います。消費の拡大に協力するためにも、私たちはメイドインジャパンの製品・農産物を購入し、経済を回していく立場でもある、という事を、もう一度考える必要あるんじゃないか?って感じています。
(こんなエラソーな事言ってますが、国を通じて市から支給される補助金があがらないと、何もできない幼稚園は辛いですね…)