最近の研究でわかった事らしいのですが、以前、ノーベル経済学賞を受賞したヘックマン先生が「良い幼児教育を受けた子どもは、その後偏差値の高い大学に行く人が多い。会社に勤めても役職につき、高額な給与をもらっている人が多い。持ち家の比率が高い。犯罪者が少ない」などなど、私どもにとっては願ってもない調査結果を報告してくれました。「幼児教育は投資に対する効果が高い」という事です。だから幼児期に優れた教育を受けさせるべき、という意見です。「ヘッドスタート計画」という名で、各国でも幼児期にこそ優れた教育を受けさせよう、という機運が高まりました。日本でも幼児教育の無償化が始まったのも、この「ヘッドスタート計画」の流れなのかな?と思っています。
ところが…。最新の研究によりますと、この効果は本当なんだろうか?という論文も出ているようなのです。今から50年前の幼児教育の効果と最近の幼児教育の効果を比べても、そんな違いは見られない、というものです。ヘックマン先生が実証実験を行った幼稚園は、小規模で、先生の数も多く、ひとりひとりの要望や個性に対応できる環境が整っていた。その園に所得が低い家庭の子どもを中心に提供した。だから効果が出てあたりまえ。この結果を受けて、幼児教育は効果があると信じて行ったその後の幼児教育、最初の実証実験を行った園と環境が全く違うだろう、という意見です。
もうひとつ。ヘックマン先生の研究対象とする幼稚園の幼児選抜方法は、抽選だったそうです。その抽選にあたった方と、抽選に漏れた方。これを比較対象として追跡調査したらしいのです。貧困家庭が多かった時代でもあります。幼稚園に行かないという選択をした方も多かったと推測され、だったら正当な比較対象にはならんだろう、という指摘も出ているそうです。
カナダのケベック州で行われた研究があります。カナダのケベック州では幼児教育の無償化が行われました。その結果、保育所を選ぶ方が増えたそうです。その追跡調査の結果、10代から20代になった卒園生の非認知能力、健康、生活満足度、犯罪関与などに関しては、マイナスの影響(悪い影響)を与えた事がわかっています。特に男子に関しては、攻撃性や多動傾向など、顕著に表れているそうです。
アメリカのテネシー州でも、保育所に通っている子どものほうが、保育所に通っていなかった子どもにより、小学校の学力が低いという数値がでているそうです。この結果について、なぜそうなったのか調査が行われている最中だそうですが、どこに通っているか、よりも「保育の質」について論議されるべきでは?とも思います。
もうひとつ。諸外国の研究結果がそのまま日本にあてはまるか、という疑問もあります。日本には日本の子育て風土がある。そうなると、日本という国の子育て環境に適した保育、優れた保育を提供する事が必要ではないか、とも思えます。先にあげた「マイナスの効果しか出なかった」という事例ですが、まだじっと座ることが難しい子どもにたいして、無理に座らせ長時間ドリルを行うのでは集中力が続かないだろう、とも思います。だから無理に小学校の授業を先取りするような保育は、1年生くらいまでしか効果がないよ、という説にもつながります。
逆に毎日園庭で活動する。興味関心のある活動に集中して取り組む。こんな活動をしている園もある様です。文字の読み書きすらできていない状態で小学校に入学する。「これで勉強、遅れないんですか?」という質問に「いやいや、中学年(4年生)になる頃には追い付いちゃいます」と答えた、という話も聞きますが、この言葉を返したら「3年生くらいまでは苦労しますね」という事になります。
私、1年生・2年生という義務教育のスタート時が大切と思っています。ここでつまずくと、その後の積み上げが難しくなる。だから幼稚園時代に基礎を作っておきべき、と思っています。勘違いしないでいただきたい事。それは小学校の授業内容を先取りして教えるのではない、という事です。文字を学ぶにしても「お友達に手紙を書きたい」という気持ちがあれば自分から練習します。カルタ取り大会で勝ちたいと思ったら、文字を覚えます。そういった「教え込んだ結果、得た学力」と毎日の活動の中で興味関心が湧くような環境設定を行い「学びたい」という気持ちを育て、自ら進んで学ぶ経験。どちらが本当の力になるか。一目瞭然だと思うのです。
学ぶ事は楽しい。自分の知らなかった事を知る事は楽しい。旭幼稚園では、そう言う経験を積ませてあげたいな、と思っています。
ところが…。最新の研究によりますと、この効果は本当なんだろうか?という論文も出ているようなのです。今から50年前の幼児教育の効果と最近の幼児教育の効果を比べても、そんな違いは見られない、というものです。ヘックマン先生が実証実験を行った幼稚園は、小規模で、先生の数も多く、ひとりひとりの要望や個性に対応できる環境が整っていた。その園に所得が低い家庭の子どもを中心に提供した。だから効果が出てあたりまえ。この結果を受けて、幼児教育は効果があると信じて行ったその後の幼児教育、最初の実証実験を行った園と環境が全く違うだろう、という意見です。
もうひとつ。ヘックマン先生の研究対象とする幼稚園の幼児選抜方法は、抽選だったそうです。その抽選にあたった方と、抽選に漏れた方。これを比較対象として追跡調査したらしいのです。貧困家庭が多かった時代でもあります。幼稚園に行かないという選択をした方も多かったと推測され、だったら正当な比較対象にはならんだろう、という指摘も出ているそうです。
カナダのケベック州で行われた研究があります。カナダのケベック州では幼児教育の無償化が行われました。その結果、保育所を選ぶ方が増えたそうです。その追跡調査の結果、10代から20代になった卒園生の非認知能力、健康、生活満足度、犯罪関与などに関しては、マイナスの影響(悪い影響)を与えた事がわかっています。特に男子に関しては、攻撃性や多動傾向など、顕著に表れているそうです。
アメリカのテネシー州でも、保育所に通っている子どものほうが、保育所に通っていなかった子どもにより、小学校の学力が低いという数値がでているそうです。この結果について、なぜそうなったのか調査が行われている最中だそうですが、どこに通っているか、よりも「保育の質」について論議されるべきでは?とも思います。
もうひとつ。諸外国の研究結果がそのまま日本にあてはまるか、という疑問もあります。日本には日本の子育て風土がある。そうなると、日本という国の子育て環境に適した保育、優れた保育を提供する事が必要ではないか、とも思えます。先にあげた「マイナスの効果しか出なかった」という事例ですが、まだじっと座ることが難しい子どもにたいして、無理に座らせ長時間ドリルを行うのでは集中力が続かないだろう、とも思います。だから無理に小学校の授業を先取りするような保育は、1年生くらいまでしか効果がないよ、という説にもつながります。
逆に毎日園庭で活動する。興味関心のある活動に集中して取り組む。こんな活動をしている園もある様です。文字の読み書きすらできていない状態で小学校に入学する。「これで勉強、遅れないんですか?」という質問に「いやいや、中学年(4年生)になる頃には追い付いちゃいます」と答えた、という話も聞きますが、この言葉を返したら「3年生くらいまでは苦労しますね」という事になります。
私、1年生・2年生という義務教育のスタート時が大切と思っています。ここでつまずくと、その後の積み上げが難しくなる。だから幼稚園時代に基礎を作っておきべき、と思っています。勘違いしないでいただきたい事。それは小学校の授業内容を先取りして教えるのではない、という事です。文字を学ぶにしても「お友達に手紙を書きたい」という気持ちがあれば自分から練習します。カルタ取り大会で勝ちたいと思ったら、文字を覚えます。そういった「教え込んだ結果、得た学力」と毎日の活動の中で興味関心が湧くような環境設定を行い「学びたい」という気持ちを育て、自ら進んで学ぶ経験。どちらが本当の力になるか。一目瞭然だと思うのです。
学ぶ事は楽しい。自分の知らなかった事を知る事は楽しい。旭幼稚園では、そう言う経験を積ませてあげたいな、と思っています。
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