本日、乳児クラスの皆さんがキッズピア足利に遠足に行ってきました。親子遠足です。とても楽しい時間を過ごす事ができました。保護者の皆様もお子様の底知れない体力に驚かれた事でしょうね。感謝申し上げます。私もこのような親子で一緒に楽しめる時間を共有できる事も大切な事なんだな、と再確認しました保護者の皆様も素敵な笑顔で一緒に楽しんでいた事が伝わってきました。子育てって大変だけれど楽しい!子どもの成長を見る事、確認できる事は楽しい!って思っていただけた事と思います。

 ところが新聞では今年の全国・栃木県・足利市ともに出生者数も出生率も史上最低を更新した、という記事が一面です。つまり人口減少に歯止めがかかっていない、という現実も突き付けられた事になります。新聞コラムでは「年金や産業に影響が出る事を懸念」とのコメントが出ていました。

 少子化対策として、様々な手が打たれています。ですが効果が出てません。そんな所に税金を投入するべきでない、という意見も見えるようになりました。じゃあ一体何が原因なんでしょう?

 ずいぶん前ですが、県幼稚園連合会が行った保護者向けアンケートとして「理想の子ども数は何人ですか?」という問いの答。「2人」「3人」と回答する方が多かったのですが、実際のお子様の数は「1人」「2人」という方が多かったのです。別のシンクタンクが行ったアンケートでは「子どもは欲しいとは思わない」という回答も上位でした。その理由として「子育てにお金がかかる」というものが多かったようです。「子どもを大学まで育てると仮定すると、とてつもない金額がかかる」という教育費の負担が課題となっていました。そこで高校授業料無償化、保育料無償化等の政策が出てきた訳です。今や「給食費の無償化」や「大学の授業料無償化」まで検討項目にあがっています。

 ですが、問題はそこではないような気がします。もっと重要な事は「保護者の方の収入があがらない」という事です。これを歴史的に見て見ますと…。

 日本の輸出産業が華やかりし時代、アメリカを中心に貿易摩擦が起きました。そこで円高になった。輸出産業に陰りが見えてきた。ここで現実的な政策を出せれば良かったのに、ニューヨークプラザホテルを会場に開催されたG7で効果的な手を打つ事も、円高を解消できるような各国との合意もできませんでした。G7終了後、帰国した大臣に円高を質問したら「ゴルフのハンデがあがったようなもの」というのんきな談話を出すありさま。(私、テレビに向かって「バカもん!何を考えている!それでも大臣か!」って怒ってしまいました)

 経済成長が止まりそうになり、金利を安くして経済を回そうとしましたが、それが会社への投資(安い金利を利用して、工場の機械を新しくする、新工場を建設する等々)ではなく土地ころがしで儲けようとして起こったのがバブル経済。実際に会社の業績があがった訳でなく、土地投機で利ザヤを稼いでいるだけの「バブル」だった訳です。だって土地を担保にすればお金が借りられる。そのお金で別の土地を買って売れば確実に現金が手に入る事になった訳です。2年に20回転売され、転売の度に買値の5割増しで売れる、なんて狂気に近い事が平然と行われていたのです。そこにメスを入れるべきなのに、会社の業績があがり、税収も増えている事から国としても手を打つのが遅れ(実際は「見て見ないふり」していた)、結果的に値段だけは高い土地を掴んだ「ババ抜きのババ」みたいな企業が倒産する事態となりました。そこからちょっと景気が回復し始めた時、リーマンショックが起き、結局日本の経済がずっと好転しない状態が今も続いている訳です。本来、円高不況の時に(経済浮揚の教科書ですが)公共工事等を増やし、景気の下支えをするべきだったのに、それを怠った国の責任かと思っています。

 その次に、決定的だったのが「規制緩和」です。自民党をぶっ壊す、というスローガンの元、郵政民営化が行われましたが、それは錦の旗。本当の目的は日本の雇用制度を根本から覆す事ではなかったか、と思っています。規制緩和の一環として、有料職業紹介の認可、人材派遣の拡大、終身雇用制の廃止まで手をつけました。一番痛かったのが終身雇用制の廃止です。一応、「能力のある方が安い給料で働いていると、優秀な人材がどんどん海外に流出する。それを食い止めるため、能力のある人は年収3000万円も可能とする」なんて説明しましたけど、その言葉を返せば「普通の仕事をしている人は、だれでもできる仕事なんだから安い給料で十分だよね」って事です。これで一気に人材派遣が加速しました。そのうえ給与も伸びなくなりました。だから今まで父親が働くだけで家族4人を養っていけたのに、夫婦で働かないと生活が維持していけなくなりました。いわゆる「1馬力から2馬力へ」という社会の働き方が根本から変わったのです。

 そこで問題になったのが、「保育所不足」でした。0歳を中心とした乳児の需要が高まっているのに対応しきれない。「保育園落ちた。日本死ね!」という物騒な投稿が日本中で話題になった原因はこれです。
国も保育所を増やしますが、それでも間に合わない。認定こども園制度や企業主導型保育施設の登場も、この対策として行われたのです。

 バブル経済の登場から簡単に日本の経済史をご紹介しましたが、やはり父親が頑張れば家族4人を養うことができ、毎年必ず給料があがり、定年まで勤めていられる。会社の業績が良ければボーナスも上がる、という日本的な労働慣行。これはこれで良かった、意味があったのではないか、と思っています。だって5年後には係長になれる。10年後には課長になれる。20年後は部長になれる(当然それなりの給料がもらえるようになる)、といった人生設計が崩れ、もしかしたら10年後は派遣終了になって職がなくなるかも知れない。こんな状況で子どもを産み育てられる社会と言えるのか、もうひとり子どもが欲しい、という希望を持つことができるのか、という事です。ここを改善しない限り、少子化は食い止められないと思っています。ただ、ここまで社会が変わってしまうと、余程の事がない限り回復は難しいでしょう。少なくとも人材派遣の禁止。有料職業紹介の廃止。終身雇用制を取る企業への支援など、安心して生活でき、将来の生活に夢が持てるような社会になりたいものだ、と思っています。政治家の皆さん、宜しくお願いします。(「お前が総理大臣になれ」なんてツッコミはしないで下さいね)