新型コロナウイルス対策として休校が続いています。このままでは授業時間が確保できない。その対策としてWEB授業とか、9月新学期制について論議されています。

 WEB授業に関しては、インターネット環境が整っていないと現実的に不可能です。5分程度の短い体操であるとか、歌であるとかなら不可能ではないと思いますが、45分授業を4限・5限までやろうとするとWi-hiが不可欠ですが、そこまで全てのご家庭に整っているか、と考えると厳しいものがあります。しかも、きちんとWEB授業を見てもらえるか。これを考えると登校するという「手間暇」は必要と言えます。近年はネグレクト対策、家庭内暴力対策としても、実際に学校に来てもらう価値があると言われております。その意味でもいきない「全てWEB授業で」は難しいかと思っています。


 それに対して、9月新学期制度は現実味があります。諸外国では欧米を中心に、9月新学期制度が主流です。日本では伝統的に「桜の花に迎えられた」入園式、というイメージがありますが、実際幼稚園として見た場合、4月に入園して、ちょっと慣れた頃にゴールデンウイーク。そこで一度元に戻ってしまい、一から慣れてもらう。そしてやっと集団が作られてきた、と思う頃に夏休み。これでまた一から作り直し。9月に入って、またまた集団つくりから始めて、やっと慣れたな、と思う頃に運動会の練習。こんな感じでした。

 これが9月入学となると、園に慣れ、集団ができて、一度じっくり保育を行った後、行事が迎えられます。ある意味、子どもにとっても無理なく園生活が過ごせるのではないか、と考えます。勤務する先生方も退職される場合、3月の給与で4月・5月分の市民税を徴収、という事がなくなります。市民税の場合、1月から12月が年度区分。そこから年間の給与を計算し、市民税額を決定して、通知して、となると4月は難しい。そこで6月スタートという事になっているようですが、9月スタートなら時間的余裕も充分にあります。退職時に3ケ月分の市民税を特別徴収しなくて済みます。これもメリットです。


 今までは9月新学期にするべき、という意見が出ても、移行する初年度の人をどうするんだ。3月卒業、9月までの半年をどう過ごせばいいのだ、という疑問が出ていました。今がチャンスです。授業になっていないから、夏休みを返上したとしても、絶対に授業時間が足りない。今でさえ「詰め込みすぎ」という批判があるのに、です。

 ですから、今年はチャンスです。このまま休校を8月末まで続けて、9月新学期にしてしまうのが一番効果的な解決策と思います。ただひとつ注文を出させていただくとしたら、「小学校に入学できるのは9月1日の前日までに6歳を迎えた児童」という表現にしないと、9月1日生まれの方が1年遅れてしまう事になります。今がそうです。小学校に入れる年齢区分を4月1日としてしまったため、4月1日生まれの人は翌年に入学です。この過ちだけは繰り返さないで欲しいと思っています。