令和3年も静かに幕を開けました。今日、1月4日より2号・3号認定園児さんは登園しています。いつもより静かな新学期です。もうすぐ1号認定の園児さんも登園するようになりますが、そうなると一気に活気が戻ると思います。3学期は1年の総決算として、各学年の教育目標にそった活動を充実し、年間目標の達成に努力していきたいと思っています。


 昨年末、お隣の企業主導型保育施設の監査がありました。その中で言われたのは「契約書」や「約定書」のようなものをしっかり整えること。職員に通知したものは、きちんと文書で保管しておく事。個人情報を漏らさない、児童虐待をしない、という事を文章で通知し、職員の署名押印をもらうようにすること、等々「書類」の部分での指摘が多かったように思います。
保育内容に関しては指導計画書や毎日の行動記録、お昼寝の午睡チェック表などの確認だけで、「幼稚園が運営しているから大丈夫ですね」とほとんど指摘を受けなかったのが良かったです。

 企業主導型保育施設は、企業が自社の従業員のお子様を預かることで、働きやすさ・育児負担の軽減・離職防止につなげる事が求められている施設なので、私どもが行っている「教育・福祉」とは違った側面からの指摘で、少々とまどいました。
一般企業が行う保育だけに、保育事業のための補助金が親会社の運営資金に使われていないだろうか、基準以下の職員で運営し、その差額を他に流用していないか、等々。今まで指摘されたことのない事ばかりでした。たしかに、株式会社の運営は「利益を出して株主に配当金を渡すために運営する」ものですから、利益を出す事を第一に考える。例えば「一般小売事業」が年間100万円の黒字。「企業向け事業」が200万円の赤字の場合、会社全体として「100万円の赤字」として税務署に申告するのですから、会社としての常識と保育事業の常識が異なるだけに、致し方ない部分もあるように感じます。

 ですが、こうも言えます。企業主導型保育施設監査で指摘された事は、認定こども園であったとしても、今後必要なものになる可能性が高い、という事です。コンプライアンスやらなんとかマニュアルとか、「そんな事、わざわざ文章にしなくてもミーティングでしっかり伝達しています」ではいけない。誰が見ても、「やっている」事を一目瞭然にするには、契約書であったり、マニュアルであったりする事が求められる、という事なのでしょう。

 特に秘密保持義務とか虐待防止などというものは、しっかり明示し、行動基準となるようにしておく必要が出てきた、とも言えます。1月のミーティングでは、この内容をしっかり伝達し、全ての職員が同じ方向を向いて保育できるようにすると共に、4月の新学期には辞令と共に渡せる体制を作らないといけないと思っています。

またまた宿題がひとつ増えました。頑張ります。

園長 井上智賀