コロナ関係の話題が多かった園長ブログですが、教育機関としても頑張っているんだと言う事もご理解いただきたく、今日は認定こども園の教育・保育要領について取り上げました。
この教育・保育要領は平成29年に改定されました。この改定で画期的なのは、幼稚園教育要領・保育所保育指針・認定こども園教育・保育要領が一度に改定された事です。今までは先に幼稚園教育要領が改定され、それを受けて保育所保育指針が改定されるという「タイムラグ」がありましたが、今回は一度に変わりました。そして今回、記載事項として加筆が加わり、より具体的な形となった事です。
幼児教育というと、教育機関である幼稚園、そして幼稚園の機能を持つ幼保連携型認定こども園の専売項目です。では、保育所は幼児「教育」ではないのか、という疑問が生まれます。結果を先に言えば、法令上は保育所は児童福祉法に定められた福祉施設であって、教育機関ではない事になります。こう言うと保育園の方々は「私たちも教育をやっています」という反論がでると思います。ですが保育所は社会教育としての教育はできますが、学校教育としての教育はできません。なぜなら福祉施設だからです。
もう少しわかりやすく言えば、予備校の国語の先生で、クイズ番組やバラエティーで活躍している先生がいると思います。「いつやるの?今でしょ!」の先生です。この先生の知識量、おそらく全国の高校の国語の先生方が束になってもかなわないのではないでしょうか?でも、この先生が所属しているのは「予備校」であって「高校」ではありません。同じ国語を教えていますが「受験対策としての国語」を教えるのと「日本人としてふさわしい教養を身に着けるための国語」では、その内容が全然違うと思うのです。(外見は全くかわらない事になります)
この意味で、「幼児教育」は幼稚園、幼保連携型認定こども園でないとできない、という事がお判りになったと思います。逆に幼稚園、幼保連携型認定こども園がいくら福祉的機能を重視したとしても、福祉施設ではありませんので、補助は全く出ません。福祉施設なら日本財団、競馬競輪、お年玉くじ付き年賀はがき等々、様々な団体から(申請すれば)補助がもらえます。ですが幼稚園がいくら頑張ったとしても「学校法人だから」「福祉施設でないから」という理由で補助の対象にもなりません。これは仕方ない面もありますが、日本の幼児教育が二元化(今は三元化)されている弊害の極みと思っています。
前置きが長くなってしまいましたが、今回の加わった記載を見てみると、社会背景が変わった事で、保育の内容も変化せざるを得ない。その中で「保育の質」を高めていくための加筆であった、という事です。ですがここで一言。小学校との連携を重視したのは良いと思います。小学校が教科学習、幼児期は総合的な活動を通じての「学び」であると言う点は大賛成ですが、またしても「幼児期は遊びを中心とした」という表現にしてしまった事です。
私たち幼児教育関係者は「遊び」というのは他から強制されてやるのではなく、周りの環境を整えることで、子ども自らが興味や関心をもって取り組む活動である。楽しいからやる。その意味で「遊び」という表現をしているのですが、世間一般的に「遊び」といえば仕事の合間に楽しむ「レジャー」の意味として使ってしまいます。そうなると、私たちの行っている活動が「レジャー」と思われてしまう。そこが幼児教育の一番の弱み。理解されない要因だと思っています。これを「活動学習」とか「主体的な学びの活動」とか「アクティブ・ラーニング」などと表現していたら、幼児教育は今と全く違う発展を見せていたと思うのです。
前置きが長くなってしまいましたので、続きは次回という事で。
この教育・保育要領は平成29年に改定されました。この改定で画期的なのは、幼稚園教育要領・保育所保育指針・認定こども園教育・保育要領が一度に改定された事です。今までは先に幼稚園教育要領が改定され、それを受けて保育所保育指針が改定されるという「タイムラグ」がありましたが、今回は一度に変わりました。そして今回、記載事項として加筆が加わり、より具体的な形となった事です。
幼児教育というと、教育機関である幼稚園、そして幼稚園の機能を持つ幼保連携型認定こども園の専売項目です。では、保育所は幼児「教育」ではないのか、という疑問が生まれます。結果を先に言えば、法令上は保育所は児童福祉法に定められた福祉施設であって、教育機関ではない事になります。こう言うと保育園の方々は「私たちも教育をやっています」という反論がでると思います。ですが保育所は社会教育としての教育はできますが、学校教育としての教育はできません。なぜなら福祉施設だからです。
もう少しわかりやすく言えば、予備校の国語の先生で、クイズ番組やバラエティーで活躍している先生がいると思います。「いつやるの?今でしょ!」の先生です。この先生の知識量、おそらく全国の高校の国語の先生方が束になってもかなわないのではないでしょうか?でも、この先生が所属しているのは「予備校」であって「高校」ではありません。同じ国語を教えていますが「受験対策としての国語」を教えるのと「日本人としてふさわしい教養を身に着けるための国語」では、その内容が全然違うと思うのです。(外見は全くかわらない事になります)
この意味で、「幼児教育」は幼稚園、幼保連携型認定こども園でないとできない、という事がお判りになったと思います。逆に幼稚園、幼保連携型認定こども園がいくら福祉的機能を重視したとしても、福祉施設ではありませんので、補助は全く出ません。福祉施設なら日本財団、競馬競輪、お年玉くじ付き年賀はがき等々、様々な団体から(申請すれば)補助がもらえます。ですが幼稚園がいくら頑張ったとしても「学校法人だから」「福祉施設でないから」という理由で補助の対象にもなりません。これは仕方ない面もありますが、日本の幼児教育が二元化(今は三元化)されている弊害の極みと思っています。
前置きが長くなってしまいましたが、今回の加わった記載を見てみると、社会背景が変わった事で、保育の内容も変化せざるを得ない。その中で「保育の質」を高めていくための加筆であった、という事です。ですがここで一言。小学校との連携を重視したのは良いと思います。小学校が教科学習、幼児期は総合的な活動を通じての「学び」であると言う点は大賛成ですが、またしても「幼児期は遊びを中心とした」という表現にしてしまった事です。
私たち幼児教育関係者は「遊び」というのは他から強制されてやるのではなく、周りの環境を整えることで、子ども自らが興味や関心をもって取り組む活動である。楽しいからやる。その意味で「遊び」という表現をしているのですが、世間一般的に「遊び」といえば仕事の合間に楽しむ「レジャー」の意味として使ってしまいます。そうなると、私たちの行っている活動が「レジャー」と思われてしまう。そこが幼児教育の一番の弱み。理解されない要因だと思っています。これを「活動学習」とか「主体的な学びの活動」とか「アクティブ・ラーニング」などと表現していたら、幼児教育は今と全く違う発展を見せていたと思うのです。
前置きが長くなってしまいましたので、続きは次回という事で。
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