先ず最初にご報告です。過日、県より監査を受けましたが「運営に関してはおおむね良好です」という通知をいただきました。指摘事項はありません。運営は正しく行われているという事を、県も承知している事をご報告させていただきます。

 今回のブログは。認定こども園教育・保育要領の改訂について、その背景をお知らせしたいと思います。

 現在、社会は驚くほど速い速度で変化しています。ちょっと前までは「10年ひと昔」でしたが、今では「5年ひと昔、10年大昔」の地代です。腕時計が携帯電話になるなど、私が子どもの頃なら科学特捜隊が「隊長、怪獣が出現しました!」と本部に連絡するためか、ジャイアントロボを動かす時の指令に使っていたSF映画の世界の話でした。でも、今は普通の事です。そう考えると社会の進歩には驚きます。

 教育の世界もまた同じ。社会背景が変化すれば、それに合わせて教育も変化しないといけません。その意味で認定こども園の教育・保育要領も「変化せざるを得ない」状態だったのかも知れません。

その背景を見てみると
1,幼児教育の重要性が世界的に認知された
 ヘックマン教授が提唱された幼児教育の経済学。これが社会的に認められ、幼児期に正しい保育を受ける事が重要。幼児期に受けた教育は、その後の教育の何倍も効果がある、と言う事が常識となり、わが国も幼児教育の無償化を行いました。その流れの中で、改定が行われたという事です。

2,社会が変化し、幼児期に体験しておかないといけない事が不足している
 一番わかりやすい例ですと、少子化により同じ年齢の子ども同士が遊ぶ体験が不足している。これを行うには認定こども園など、幼児が集う施設(幼児のコミュニティー)が不可欠になってきた事があげられます。

3,0歳から2歳の乳児保育利用者の増大
 国は助成の就労率8割を想定していますが、すでに7割以上の方が就労している状態です。もしかしたら、9割近くの女性が就労する可能性もあります。その就労を支援するには、認定こども園の持つ教育力が不可欠になった、という事です。

 その他、子育ての不安解消・子育て支援など社会全体で子育てを支援していこう、という機運が高まり、今回の改定となりました。

 改定と言っても基本的には変わりません。ですが、より具体的な方法での保育(支援)が求められています。例えば
「気づく力」「工夫する力」「物事に取り組む意欲」などです。
気づくためには注意力も必要ですし、友達との会話や話し合いも重要です。
工夫するには、今までの経過や失敗した原因などを考える力が必要です。
意欲は自分のモチベーションだけでなく、先生(大人)のはげましや、子どもの工夫した点を認め・ほめる事も必要です。

このような「営み」があいまって、教科学習(この時間は算数、次の時間は国語と言う形)ではなく、総合的な取り組み・かかわりの中で体験を通じて様々な事を学習するための改定と考えるとわかりやすいかも知れません。

 旭幼稚園でも、この総合的な学習を行うにあたり、環境の整備を重要視しています。子ども達が「やってみたいな」と思うような「雰囲気」を作る。その中で自由な発想や工夫を通じ、実体験として「学ぶ」。楽しいから、やってみたいから活動する。そんな活動を目指しています。

 次回のブログは「幼児期おいて育みたい資質・能力」についてお話させていただきます。