前回のブログで教育・保育要領が目指している「10の姿」についてお話させていただきました。
実は現在の教育要領の前に出されていた幼稚園教育要領にもおなじような記載がありました。「幼稚園を卒園するまでに育っておきたい127のねらい」とか言うタイトルだったような気がします。127だったかどうかも、今となっては「あやふや」なんですが、(もしかしたら記憶違い?)「こんな活動をしてみましょう」という例として多くの活動があげられていました。
そうなると「ここに書かれている活動をやらないといけない」「他の活動は後に置いておき、ここに書かれている活動を中心にしよう」と勘違いしても不思議ではありません。事実、文部省(当時)の教科調査官の方が、公演で「入園してから卒園するまで、ここに書かれていたねらいを順に保育に取り入れ、卒園までに全部網羅した。だからうちの園は教育要領を守っています、という園がありましたけど、それは間違いですからね」と言われていました。さて、そうなると「10の姿」本当の意味は何なんでしょう?
私は、10の姿とは、実践(活動)を通じての理解(体験)ではないかと考えています。例えば「健康な心と体」を例にするなら、生活の中で、四季を感じながら、「今の季節にあった服装は?」「健康に過ごすため、気を付けないといけない事は何?」これが実践できるための体験。そして自分で工夫して、環境に一番ぴったりした服装や衛生習慣などを身に着ける事だと思っています。
10の姿を保育活動の中で実践する方法。これを子ども達が学べるような「マネジメント能力」を先生がもっているかどうか。ここにかかっていると考えます。
マネジメントと言えば有名なPDCAサイクル。先ず「プランをたてる」(Plan)。次に「実行して見る」(Do)そして「チェックして、評価する」(Check)そのうえで「改善する」(Action)。この頭文字をとってPDCAサイクルと言うのですが、我々幼稚園業界より早く、一般の会社などでは行われていた手法と聞いております。
幼稚園業界では、先ず「現在の子どもの姿」を良く見ましょう。そうすれば次に何を行うか。行いたいと思うか、だいたい「見通し」がつくはずです。それを計画しましょう。(Plan)
次にその活動をやってみましょう。計画通りに進んでいますか?もし、計画と違った方向に進んだ場合は、よく原因を考えましょう。(Do)
次に、できれば保育者全員で、活動の「振り返り」を行いましょう。特に計画と違った方向に進んだ場合は詳しく話し合ってみましょう。(Check)
そして計画がうまくいったかどうか。見直して、今の子どもにあった活動となるよう、改善していきましょう。(Action) こんな感じです。
ただ、計画の反省も活動の見直しも非常に大切な事なのですが、どうしても「活動ありき」「計画ありき」のような気もしています。だって保育なんて「生もの」ですから、いくら前日までの子どもの姿をよく見ていたとしても、その予想通りに活動するはずがない。翌日になれば天候も違う。活動する友達だってお休みしていたり、昨日お休みしていた子どもが参加するかも知れない。環境は「その時」でないとわからないのです。これを予測するのは不可能。だから「きちんとした計画」なんて立てられない。だから活動ややり方は違ってもいいから、その活動の目的である「ねらい」を具体化できたかどうか。そこが一番のポイントではないか、と思うのです。
「活動」は「ねらい」を達成するための「手段」であって「目的」ではない。その活動を通じて「何を学んだか・理解したか」そこが一番のポイントになるような気がします。PDCAサイクルも、それをやる事が目的ではない、という事です。
以前、ネットでPDCAサイクルの良い例がないか検索していた時、ある若手社員の方が「うちの上司は、直ぐにPDCAサイクルを回せ、って言うけれど、何のためにこの作業をやるのか。その説明がないから、ちっともわからない。時間の無駄に思える。実際、会社は何も変わっていない」という投稿を見つけました。(ちょっと笑ってしまいました)
一番重要なのは「活動すること」ではなく「その活動を通じて、何を学んだか」だという事。会社であるなら、顧客満足度があがった、売り上げがあがった、こう言う結果に結びつく必要があると思うのです。
ただ、こう言うと「計画なんて必要ないよね」という「出たとこ勝負」で良いようにとらえる方もいますが、それも間違い。子どもの年齢・園の環境・今までの活動など、「子どもの育ち」に合った活動であるかどうか。そこを検討した上で取り組む事は大切だと思います。もし、今年のようにコロナの影響で実際に保育が始まったのは6月。これを考えると、いつもなら4月に行う活動を6月にやる訳です。けれど季節は6月。さて、ここでカリキュラムをどう工夫すれば、今の子ども達にあった活動になるのか。そこを考えるのが「カリキュラム・マネジメント」なのです。
コロナという、私たちが今だ体験した事のない事態の中で、どんな活動を行えば良いのか。考えながら毎日保育を行っています。
実は現在の教育要領の前に出されていた幼稚園教育要領にもおなじような記載がありました。「幼稚園を卒園するまでに育っておきたい127のねらい」とか言うタイトルだったような気がします。127だったかどうかも、今となっては「あやふや」なんですが、(もしかしたら記憶違い?)「こんな活動をしてみましょう」という例として多くの活動があげられていました。
そうなると「ここに書かれている活動をやらないといけない」「他の活動は後に置いておき、ここに書かれている活動を中心にしよう」と勘違いしても不思議ではありません。事実、文部省(当時)の教科調査官の方が、公演で「入園してから卒園するまで、ここに書かれていたねらいを順に保育に取り入れ、卒園までに全部網羅した。だからうちの園は教育要領を守っています、という園がありましたけど、それは間違いですからね」と言われていました。さて、そうなると「10の姿」本当の意味は何なんでしょう?
私は、10の姿とは、実践(活動)を通じての理解(体験)ではないかと考えています。例えば「健康な心と体」を例にするなら、生活の中で、四季を感じながら、「今の季節にあった服装は?」「健康に過ごすため、気を付けないといけない事は何?」これが実践できるための体験。そして自分で工夫して、環境に一番ぴったりした服装や衛生習慣などを身に着ける事だと思っています。
10の姿を保育活動の中で実践する方法。これを子ども達が学べるような「マネジメント能力」を先生がもっているかどうか。ここにかかっていると考えます。
マネジメントと言えば有名なPDCAサイクル。先ず「プランをたてる」(Plan)。次に「実行して見る」(Do)そして「チェックして、評価する」(Check)そのうえで「改善する」(Action)。この頭文字をとってPDCAサイクルと言うのですが、我々幼稚園業界より早く、一般の会社などでは行われていた手法と聞いております。
幼稚園業界では、先ず「現在の子どもの姿」を良く見ましょう。そうすれば次に何を行うか。行いたいと思うか、だいたい「見通し」がつくはずです。それを計画しましょう。(Plan)
次にその活動をやってみましょう。計画通りに進んでいますか?もし、計画と違った方向に進んだ場合は、よく原因を考えましょう。(Do)
次に、できれば保育者全員で、活動の「振り返り」を行いましょう。特に計画と違った方向に進んだ場合は詳しく話し合ってみましょう。(Check)
そして計画がうまくいったかどうか。見直して、今の子どもにあった活動となるよう、改善していきましょう。(Action) こんな感じです。
ただ、計画の反省も活動の見直しも非常に大切な事なのですが、どうしても「活動ありき」「計画ありき」のような気もしています。だって保育なんて「生もの」ですから、いくら前日までの子どもの姿をよく見ていたとしても、その予想通りに活動するはずがない。翌日になれば天候も違う。活動する友達だってお休みしていたり、昨日お休みしていた子どもが参加するかも知れない。環境は「その時」でないとわからないのです。これを予測するのは不可能。だから「きちんとした計画」なんて立てられない。だから活動ややり方は違ってもいいから、その活動の目的である「ねらい」を具体化できたかどうか。そこが一番のポイントではないか、と思うのです。
「活動」は「ねらい」を達成するための「手段」であって「目的」ではない。その活動を通じて「何を学んだか・理解したか」そこが一番のポイントになるような気がします。PDCAサイクルも、それをやる事が目的ではない、という事です。
以前、ネットでPDCAサイクルの良い例がないか検索していた時、ある若手社員の方が「うちの上司は、直ぐにPDCAサイクルを回せ、って言うけれど、何のためにこの作業をやるのか。その説明がないから、ちっともわからない。時間の無駄に思える。実際、会社は何も変わっていない」という投稿を見つけました。(ちょっと笑ってしまいました)
一番重要なのは「活動すること」ではなく「その活動を通じて、何を学んだか」だという事。会社であるなら、顧客満足度があがった、売り上げがあがった、こう言う結果に結びつく必要があると思うのです。
ただ、こう言うと「計画なんて必要ないよね」という「出たとこ勝負」で良いようにとらえる方もいますが、それも間違い。子どもの年齢・園の環境・今までの活動など、「子どもの育ち」に合った活動であるかどうか。そこを検討した上で取り組む事は大切だと思います。もし、今年のようにコロナの影響で実際に保育が始まったのは6月。これを考えると、いつもなら4月に行う活動を6月にやる訳です。けれど季節は6月。さて、ここでカリキュラムをどう工夫すれば、今の子ども達にあった活動になるのか。そこを考えるのが「カリキュラム・マネジメント」なのです。
コロナという、私たちが今だ体験した事のない事態の中で、どんな活動を行えば良いのか。考えながら毎日保育を行っています。
コメント