しばらくお休みをいただいていた園長ブログですが、ちょっと時間がある時を見つけ、更新できるよう頑張ります。実はこのブログ、つなたい内容ですが「楽しみにしている」という事をお伺いし、ちょっと気合が入っています(笑)我ながら単純な男だな、と思っています。

今日のテーマは認定こども園教育・保育要領で大切にしたい「10の姿」から、「社会生活のかかわり」について、お話させていただきます。

 

幼稚園教育要領によれば「家族を大切にしようとする気持ちを持つと共に、地域の身近な人と触れ合う中で、人との様々な関わり方に気づき、相手の気持ちを考えて関り、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみを持つようになる。また、幼稚園内外の様々な環境にかかわる中で、遊びや生活に必要な情報を取り入れ、情報に基づき判断したり、情報を伝えあったり、活用したりするなど、情報を役立てながら活動するようになると共に、公共の施設を大切に利用するなどして、社会とのつながりなどを意識するようになる」と記載されています。
前回の「道徳性・規範意識の芽生え」前々回の「協調性」とも重複する部分があるように思います。ですが、社会性・人とのかかわり・ルールを守るという事は、共同生活を行う上で欠かせない、という事だと言う事です。

 

私たちは社会の中で、人とかかわる事で生活が成り立っています。世間と切り離した生活など、仙人さん位しかできません。だから、かかわり方の「浅い・深い」の違いこそあれ、社会の中で人とのかかわりを抜きにできない。そのために、幼児期から人との関り・集団のかかわりを体験しておく事が必要だと考えます。

人とのかかわり、と言っても直ぐに誰とでも仲良くなれる人は稀です。そのためにも、0歳・1歳の段階でご両親や保育者などから「温かく接してもらう」という体験が基本になり、2歳・3歳で家庭・幼稚園の他に「地域」という場所で社会の広がりを深める。そして4歳・5歳で「自分以外に様々な役割や個性を持った人がいて、各々暮らしている」という事を知るからできれば良いな、と思っています。つまり人とのかかわり・社会生活とのかかわりにも、順番がある。一足飛びに社会とかかわる事が出来る能力を持っている人は少ない。だから家庭での接し方を基礎に、幼児期に幼稚園で友達とのかかわり方を学ぶことが重要だという事だと理解しています。

これは一時期流行語にもなった「自己認識」(アイデンティティー)にもつながります。他人がいる。自分と違う考えをしている。それを受け入れたうえで、自分はこうしたい、と考え・行動する基礎を作る、という事です。周りに流されず、かといって意固地にもならず、うまく社会の中で生活できる知恵を持つためにも、幼児期の、この経験がとても重要だと思っています。

もうひとつ。現在は様々な情報があふれています。例えば「〇〇は有効ですよ」という話題ひとつにしても、ネット検索すればきちんとしたエビデンスのある正しい情報から、個人の感想、他人の書き込みを見ただけの推測記事まで、ゴチャゴチャです。一時期、朝の情報番組で「奥さん、〇〇は健康にいいんですって!」とMCのタレントさんが紹介すると、夕方にはスーパーから、その食品が消えてしまう、という事がありました。私も「何でココアが売り切れになっているんだ?」という事に遭遇した事があります。

 これが現代ではネット記事になるのでしょうが、ネットに書いてあっても、それが正しいという保証はありません。どれが有益な情報でどれが見るに値しない情報なのか、選別できる能力も必要だな、と思っています。だいたい、ネットに正しい情報が書いてあると思う事自体が間違っている、とまで言う方もいます。ちょっと口の悪い方などは「ネットの書き込みなんて公衆便所の落書きと同じ」とまで言い切っています。

 このような事まで含め、自分がいて、家族がいて、周りの人たち、コミュニティーの方々、そして「社会」と、どのような関りを持ち、どう行動すべきなのか。この基礎を学ぶ上で、幼児期の「体験」は重要である、だから内容を厳選した活動を考えて下さい。そう言う意味だととらえています。幼稚園でも人とのかかわりは特に重要視している部分でもあります。年齢・発達を見ながら人とのかかわり方を体験できるよう頑張っています。